迷信。友引に葬儀?
Q.友引の日に葬儀を出してはいけないと聞いたのですが…。
A.浄土真宗西本願寺派の考えかた
日の善し悪しを言う迷信「六曜」の中に友引があります。
六曜とは中国の軍師、諸葛孔明(しょかつこうめい)が考え出した「戦(いくさ)暦(こよみ)」のことで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口などがあります。
戦をするにあたって
先勝の日であれば、「先んずれば人を制すということにて、諸事急ぐことによし」、
友引の日は、「相打ち共引とて、勝負なしと知るべし」。
先負の日は、「先んずれば負けるという意にて、諸事静かなるによし」。
仏滅の日は、「何事にも凶、諸事慎むべし」。
大安の日は、「何事にも吉、万事利ある日なり」。
赤口の日は、「中間を吉、前後を凶とす。この日、吉日にあらざれば用いざるがよし」。
などと定めたものです。
では、どうやって六曜を当てはめたかというと、旧暦の正月と7月の1日は「先勝」から始まり、2日からは順に友引・先負・仏滅…と当てはめていきます。 2月と8月は「友引」から始まり、これも先負・仏滅・大安…と当てはめます。 このように、3月と9月は「先負」から、4月と10月は「仏滅」から、5月と11月は「大安」から、6月と12月は「赤口」から順に当てはめて行きます。
この六曜は諸葛孔明が戦にあたって勝手に考え出したもので、何の根拠もありません。
今から戦争に行く人ならいざ知らず、日常生活の上でこんな迷信に縛られて、生活や行動を規制している人がいるならば、それはもう「哀れ」としか表現できません。
結婚式は大安と決めただけで、1年の6分の1しか式の日取りを選べないのです。
病院の退院は友引の日と決めている病院があるようですが、こんな迷信を信じている医者には私の身体は任せたくありませんし、病院の入院費搾取大作戦としか思えません。
ご質問の「友引の日に葬儀を出してはいけない」と言った人も、なぜそう言われるようになったかという根拠を知っていただきたいと思います。
人が言うからとか、昔からそうなっているといった理由では、せっかくの人生を主体性のないまま送ることになってしまいます。
「友引の日に葬儀を出してはいけない」という理由は、「友引」という字を見て、亡くなった人が友を引っ張って連れて行くという解釈から来たことなのでしょう。
元々は共引(引き分け)の意味が、分けるどころか引っ張るという逆の意味になってしまっております。
誰かが面白半分で考えたことなのでしょうが、こんな迷信を気にする必要は一切ありません。 (明治時代の暦屋が商売のために、それまで知られていなかった六曜を宣伝したという説があります。)
それに、そもそも何で私たちが諸葛孔明なる人物が勝手に作った暦に惑わされなくてはならないのでしょう。
人が亡くなるのは友引の日に葬儀を出したからではありません。亡くなるべき条件(縁)が揃えば亡くなって行くのです。
もし、こんな迷信で火葬場を休みにしている自治体があるとすれば大問題です。
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