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2005年6月28日 (火曜日)

映画に観る「古武術」

kakusikenn山田洋次監督「たそがれ清兵衛」・「隠し剣 鬼の爪」の江戸時代の歩き方・決闘前の刀の扱いなどは、よく研究されていて感心した映画でした。
私は甲野善紀先生について「古武術」を1年ほど前から始め、年2回甲野先生が香川に来られ、武道家、スポーツ選手、介護関係者の方々と体の捌きを習っております。甲野先生は多忙な方で、以前NHK教育テレビ「人間講座」8回シリーズに出演され、術理と実技を説明されていたので、ご覧になった方もいるかと思います。また、著書・対談集など多数出版されております。 そのため、古武術が見直され、映画にも取り入れられているのでしょう。 古武術とは実戦におけるあらゆる動きが基本となっているものです。体術・刀・槍・長刀・杖・鎖鎌・手裏剣・・・なんでも使いこなす、戦場における武術なのです。したがって、反則なんぞは無く、己の命を守るのが目的です。
今の柔道・剣道はスポーツです。いくら竹刀が当たろうがルールどおりでないと1本と認めてくれません。竹刀でなく真剣だったら? 素朴な疑問を永年抱いておりました。甲野先生の著書に出会い目から鱗が落ちました。実践、研究している人がいるだけで感動しました。
 一例を挙げれば、今の剣道は踵を浮かし動きますが、古武術では「やや爪先を上げ薄氷を歩むが如く」動くのです。180度違うのです。戦いの場がぬかるんだ所だったら? どちらが理に適っているか、言うまでもないと思います。 歩き方にしても、今のように手と足を逆さに振らず、前傾姿勢になると自ずと体が倒れてくるので、それを支えるために足を送る。手は振りません。武士も、町人も、飛脚もそのようにして最小のエネルギーで歩き、走っていました。だから飛脚は日に200キロも走れたのでしょう。
 今の歩き方は、明治政府が西洋式軍隊の方式を取り入れ、子供の内から訓練されてきたものです。 疑問に思う方は一度お試しあれ。刀を差して走れません。手が鞘に当たり、柄が揺れます。いざ刀を抜こうとしても柄の位置が定まらないのでは、抜刀が遅れます。それは死を意味します。 階段、坂道を登るとき、前傾姿勢をとれば楽です。ぜひ、試してください。
前置きが長くなりました。山田監督の映画には古武術が取り入れられております。 黒澤監督の「七人の侍」で三船さんは現代の走り方をしていました。完璧主義者も知らないものは仕方有りません。もしかして、敢えてやらなかったのかも? 
「峰打ち」がよく出てきますが、最初から刀を裏返すのは間違いです。甲野先生によると、当たる瞬間に刀を返すそうで、実技を見ましたが、あえて峰打ちにする時もあるそうです。刀の反りを利用し、相手の間合いが足らなかった時、刀を返せば反りの分だけ届く場合などに使う。峰打ちといえども死に至るダメージを与えることは可能だそうです。
冒頭の映画のなかで、戦う前に刀を研ぐシーンや刀を砂の中に突っ込むシーンがあります。これは、刃先を荒らし食い込みをよくするためです。ピカピカに光った刀は観賞用です。あまり切れません。切りが?無いので今回はこれまで。
以上の知識でドラマ・映画を観るとスタッフのレベルが分かります。皮肉れた観かたでしょうか?
また、明治政府の急速な西洋化が良き日本文化を消滅させたことについては、改めて投稿したいと思っております。

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