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2006年6月15日 (木曜日)

是枝裕和オリジナルによる、ニューリアル時代劇『花よりもなほ』・・笑って泣いた・・見事なり

剣の腕がダメな仇討ちを面白く、優しく、天衣無縫に描いた作品。
時代劇ながら、言葉遣いは現代風で最初はアレーと思ったが、監督がわざとやったと思います。

時は元禄。仇討ちに藩が賞金を出していた時代。

主人公は、父の仇討ちのために江戸に出てきた若い武士。人情あふれる長屋で半年暮らすうち、「仇討ちしない人生」もあると知ってしまった!

300年前に生きていた名もなき人々の、赤裸々な姿。
恋あり、笑いあり、涙あり。こんなに人間くさい時代劇があっただろうか。

コミカルかつ情感細やかに切り取った、是枝監督自身の原案、脚本で描いた人間喜劇である。落語かもしれない。

しかし、僕はラストシーンの子供の台詞で涙があふれ出た

この映画にはヒーローが存在しない。主人公は「貧しく、剣が弱く、逃げ足が速い」およそ武士らしくない武士・V6岡田准一・、子持ちの武家の訳あり未亡人・宮沢りえ・に恋心を抱き、忠義との狭間で苦悩もする。

同じ長屋に住む癖のある愉快な住人を優しく描いている。

どこにでもいる人間たちの愛すべき弱さと強さを生き生きと描きながら、時代劇の殻を打ち破る笑いと感動をスクリーンに映し出している。
前作『誰も知らない』は、最小の俳優だが、今回は多彩な出演者だ。
浅野忠信、古田新太、香川照之、田畑智子、國村隼、夏川結衣、加瀬亮、寺島進、平泉成、絵沢萠子、石橋蓮司、原田芳雄、中村嘉葎、上島竜兵、木村祐一、千原靖史などの芸達者。

是枝監督を支えるスタッフには、『誰も知らない』のチームが再び結集。『羅生門』『山椒大夫』などの現場にたずさわった馬場正男が美術。衣裳は黒澤和子。音楽は欧州の古楽器。公式サイトで聞ける。

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