良寛さんの続き3~愛語の続き
道元の言葉に
「世俗には安否をとふ礼儀あり、仏道には珍重のことばあり」
新井 満さんの訳、
「お変わりございませんか…」。
世の中には、こんな言葉をかけてくれる人もいます。身体の具合はどうなのだろう。何か困っていることはないのだろうか。何か悩んでいることはないのだろうか。相手のことを気づかう、これも立派な愛語です。
では、相手の何について、気づかっているのでしょう。
それは、いのち。いのちが、全ての基本です。
相手のいのち、即ち相手の、健康と平安を気づかう愛心から、この愛語は生まれました。
さあ今日も、あの人に、さりげなく、愛語をかけてあげましょう。
「お変わりございませんか…」と。
別れぎわに「ごきげんよう」、「どうかお大事に…」そんな言葉をかけてくれる人もいます。
これもまた、愛心から生まれた、愛語でしょうね。「お気をつけて」、あるいは「どうかお達者で…」も。
私が思うに「愛語」とは、しいて言えば挨拶と「ほめ言葉」による「ほめ上手」に見える。
これが「愛語」だとする特別の言葉というものはないと。
愛の心と「愛のまなざし」から発するものが、道元の言いたい「愛語」なのである。
言葉はなくとも沈黙の愛語というものも無数にあるはず。
良寛さんは、それを実践するため、
「愛語」や「思いやりの心」を妨げている横しまな心や態度を規制することが大事なのではないか。
相手が、耳あたりのよい、うれしい「愛語」にありつけないときであっても、少なくとも「不快な思いをさせない言葉やふるまいを自粛する」ことのほうが、よりいっそう大切なのではと思い到った。
こうして、「愛語」を、実践しようと考えた良寛の書き出したメモ帖が、良寛の「戒(かい)語(ご)」なのです。
(良寛さん~1にも書きました。が親切な私は再度書き摩する
)
こころよからぬものは
「ことばの多き・さし出ぐち・はやこと・問(と)はず語(がた)り」~。
にくきものは
「人まどはしのこといふ・人をあなどることいふ・人のかくすこといふ・人に傷つくることいふ・人を見かぎりたることいふ」~。
つつしむべきものは
「人のものいひきらぬうちにものいふ・かしましくものいふ・しんせつげにものいふ・にくきこころをもちて人を叱る」~。
「すべて言葉は惜しみ惜しみいふべし」とも書いている。
良寛さんの「戒語」は、己の自戒の覚え書であり、項目の数は306項にも亘る。












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