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2010年8月25日 (水曜日)

米つくりのヒント*私の経験から

元肥を減らす
 
世間一般に言われている農法は慣行農法といいます。 これは化学肥料の元肥をしっかり効かせ、中干しで過繁茂を防ぎ、出穂前に穂肥をきかせて収量を上げる農法です。 田植え後の生育が良く、見栄えがいい農法です。 しかし化学肥料で育てると稲の生育が早い分だけ病虫害にやられやすいのです(窒素が沢山あって柔らかく、おいしい)。

自然農法の稲作では、基本的に稲藁をすき込むだけで米作りをします。 元肥を入れないと田植え後の稲は50日ぐらいは、ひょろひょろで頼りない思いをします。家族から非難を浴びる覚悟でやってください。 その間に根が伸びています。 そして温度が上がって地中での有機物分解が進むと一気に分げつが盛んになります。

種まきはうすまき
 慣行の2.5葉の20日苗・稚苗は絶対駄目です。ジャンボタニシにも狙われます。  苗が上手くできたら稲作の70%は終わりです。

丈夫で病気のない太い苗ができます。1箱1合程度で、籾が重ならない薄撒き。田植え機は徒長20cmを限界に節間隔の狭い・太い苗を作ります。葉は5葉としますので、30日~40日苗になります。慣行の苗作りを基準にアレンジしました。

土の肥料分は少なくする。市販の粒状倍土は20~25日すると肥料分がなくなります。山土の方は肥料調整できますが、倍土の方は難しいです。始めごろはゆっくりと苗を成長させます。水を少なく、温度を低めで苗の1葉2葉を短く育てます。 水は1日1回とし、根を張らせます。可愛そうですが我慢します。 土に刺した温度計と5日ごとのサンプルを記録してください。来年の参考になります。 苗は日に何度でも観て、触って変化を感じてください。

5cmほどになったら、刺激を与えてください。軽く手で押さえる、箒でなでる、ローラーで押さえる・・・刺激で太い苗にしたいのです。苗を観察し、声を聞きながら行ってください。田植えまで続けます。

水やりも刺激になります。ある程度苗がしっかりしてきたら数日、苗元1cmまで水をやったり。きつめに干したりします。 こうすることで、苗は自然に適用するDNAにスイッチをいれるのです。イネゲノムは人ゲノムより複雑です。水稲、陸稲のどちらへでも変化できるのですから。両生類は人より多いDNAをもっています。肺魚なんか凄いゲノムでしょう。1粒の種から2千粒の米を作り、ご飯1膳は4千粒だそうです。

肥料分が育苗途中でなくなりますが、私は田んぼの土を水やりのとき入れています。田植えに備えて苗を慣らす意味もあるのです。 どうしても心配な人は田植え3日前頃化学肥料を少しやってください。

なるべく遅く植える
 稲は熱帯・亜熱帯性の作物ですから、高い温度を好みます。 一般雑草との競合を避けるため、なるべく遅く植えた方が、その後の生育が良くなります。

田植えの本数はなるべく少なく
 イネは周囲の栄養状態に応じて分げつして株あたりの茎数を増やします。根の競合をさけ、伸長を活発にするためには植え付け時の本数をなるべく少なく(3本か2本)にした方がよいのです(特に苗が大きい場合)。  植える間隔の昔9寸でした。27cm間隔ぐらいがいいと思います。 僕の田植え機はそんなに空けられないので坪当たり45本植えで、浅く植えています。  コンバインが古く前面刈りができないため、割り込み場所では隣と広く開けて植えています。欠株は、浅植えと、苗が薄撒きのためどうしてもできますが、気にしません。どちらかというと、わざと欠株ができるよう植えています。なぜなら、風通しがよいので病虫害対策にもなるからです。

『厚田も薄田も同じ』という先人の言葉どうり、植えすぎると粒の小さい張りの無い米が多くとれる。少なく植えると大粒の米が少量だが採れる。 小粒の米はクダケとして安くなります。特に、酒米は大粒でないと売れません。

ただし、肥料もちが悪く、水管理もあまりしっかりできない田では、分げつが活発ではないので、多目(4~5本)に植えるという場合もあります。

多くの農家は稚苗を10本ぐらいしっかりと深く植えています。これは最低。

中干しをしない
 中干しにはいろいろな役割があると言われています。ざっと挙げると、
  1.イネの過剰な分げつを防ぐ
  2.地割れを起こし、土壌に好気的な環境をつくってメタンガスの発生を防ぐ⇒ガスは大気に放出されCO2の10倍以上温暖化に貢献する??
  3.刈り取りに向けて機械の支持力を確保する
  4.イネの根を水ストレスに強い畑型に生え変わらせる

などです。

自給農法の場合、元肥を沢山入れませんから、1は必要ありません。  イネはもともと湿地に適応した植物ですから、メタンガスによって根腐れするということもありません(沢山肥料を入れたらどうかわかりませんが)。  刈り取りに機械を使わないのであれば、3も関係ありませんね。地割れが起きるような強力な中干しはイネにとってもストレスが大きなものです。  4はちょっと面白い説ですけど、基本的にイネは中干ししなくても丈夫に育ちます。中干しするにしても地表面がちょっと乾く程度でよいという説が多いです。
 自給農法や不耕起農法では、田んぼの生き物を大事にする意味でも、中干しはせず、深水でずっと管理します。 早くからプランクトンなどが発生しているので、食物連鎖の影響でしょうか、田んぼの土はトロトロ層ができています。 裸足で歩くと気持ちがいいし、水もちが慣行田の4倍ぐらい持ちます。不思議です。

収穫後は稲藁を田に残す、またはすき込む
 稲藁は翌年の稲の生育のため田に残します。寒い地域、冬に雪のつもる地域では、イナワラの分解を促すために収穫後に耕転した方がいいかも知れませんが、暖地では、地表にそのままにして春の代掻き時に初めて耕転します。 冬季から潅水しておくと藁や株が水中分解します。ガスはでません。近所から変人扱いされるだけです。

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