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2010年10月 3日 (日曜日)

喪中ハガキ~2

今回は、喪中ハガキの歴史から考えてみよう。
なお、拙文ゆえ内容がこんがらがったり、文章の書きかたが、ですます調、である調、などコロコロさいのお目のやうに変るのは気分のせいである。一気に書いておらず、数日かけ、思いついたのを書き足しており、気が向かなければ途中下車している有様なので許されたい。

現在は年の瀬に年賀状を書くというのが当たり前にであるが、昔は、年賀の挨拶だから新年に書くのが通例でした。自然な行為である。

さすれば、新年になると郵便局の業務が多忙を極める。
そこで、郵政省いや逓信省は、あらかじめ年内に投函させ業務の繁忙を分散させるために明治32年に始まったのが、「年賀郵便特別取扱」、年内の一定期間に出された年賀状については、1月1日に配達するという制度である。
 年賀状の配達は、「郵便規則」という省令の第120条の2の規定に基づいて行なわれている。つまり、あれは郵便局が単にサービスで行なっているのではなく、法令に基づく行政行為なのである。
年賀ハガキの切手貼付欄の下に「年賀」と朱書されているのも、ちゃんと年賀郵便の扱いにする必須項目として規定されている。

お上の都合にあわせ、国民に命じたのである。郵便局が親切でしてくれているなどと思っている御仁はお目出度い輩である。

しかし、私は正月に年賀状を書いております。
第一、師走の追い込み時期に「おめでとう」などという気分になれないし、時間もない。
さらに、年賀状を投函後、会社が倒産、または自分や近親者に不幸があった場合どうしろというのだ。

本題にはいろう。
その年に葬儀を出した家庭では、喪中ハガキというものをだすのがなぜか世間の恒例になっている。わが家も3月に父が死去したので、喪中ハガキを出すと家内が譲らないのだ。

しかし、私は年賀状あるいは寒中見舞いを出そうかと思案している。

「喪中」とはなにか、という疑問については前回ふれた。
四十九日の法要で一般的な生活に戻ったはずなのに、なぜ年賀状だけはかようなものになるのだろうか。
調べてみると、四十九日であけるのは、「忌中」の期間であり、「喪中」とは別物なのであるという歴史があった。

・「喪中」とは、「死者をしのび喪服を着る期間」
・「忌中」とは、「穢れの身ゆえに身をつつしんで外出しない期間」

「喪中」の期間は時代によって変っております。
会社の「休暇に関する就業規則」と思ってください。

古くは、先祖崇拝の祭事を重視する儒教において、
三年の喪は天下の通喪なり(論語 陽貨篇)」とあり、足掛け3年(25ヶ月)を服喪の期間としていたが、儒教は中国では採用されなかった。

日本においては、たとえば養老2年(西暦718年)制定の養老令の、喪葬令服紀条に規定があり、父母の喪は1年、祖父母は5ヶ月、兄弟は3ヶ月、兄弟の子は7日と、今でいう親等の遠近によって、ずいぶん長さに差がある。

これらの規定は貴族階級たちを対象にしたものであり、庶民は生きるのに必死であった。

江戸時代になると、綱吉の時代に「服忌令(ぶっきりょう)」という法律が公布され、庶民にも徹底された。 犬将軍といわれ、哀れみの令を通じて、民の心が布施の心になれば世の中が良くなると信んじての行為と思われる。
将軍に悪意はなけれども、余裕の無い庶民の生活を向上させることの方を優先すべきであった。

ほとんど養老令と同じだが、父母の喪が13ヶ月に伸ばされている親が死んだときは、何月であろうと新年は喪中である。
だが、たとえば祖母が死んだ場合は、喪は5ヶ月である。
いずれにしても、長期特別休暇ですな~~。食費はどうするのだ??

 現在の冠婚葬祭に関するマナーブックの多くは、忌中、喪中の期間については、明治7年10月に出された太政官布告をもとにして一覧表を作っている、と注釈を載せている本が多い。
 これは、「服忌には公家制と武家制があるが、これからは公家制を廃止する」という内容のものであり、つまりは江戸時代の服忌令が明治時代になっても使われていたということだ。
 しかし、この服忌令は、遵守すると、そうとう長期間出勤できないことになるため、官吏の忌引については10日前後にするなど、次第に明治政府自身の手で守られなくなった。

 皇室では、戦前は皇室服喪令という法令があったが、現在は廃止されている。
しかし、運用としては、いまでもこれに準じているらしい。この服喪期間も、ほぼ、服忌令と同様となっている。

 庶民にとって家族の死後1年を喪中として年賀欠礼のハガキを出すのは、現在の法令では存在していない服忌令の影響が残っていて、しかも、そのうち両親が死んだときの服喪期間である1年(13ヶ月)だけが拡大解釈されて、家族が死んだらすべて1年は喪だということに捻じ曲げられたことと解釈するしかないようだ。

 厳密に適用すると、服喪の伝統から言えば、だれが死んだかによって、喪明けになり、年賀状を出してもよい場合もあるのだ。融通無碍な日本人だな~。

 普通の方はそこまで考えず、行動しているようである。
家族の誰かが死んだら喪中はがきを注文する。年賀はがきより少し高いような気がするのは私のひがみ根性でせうかしらん。

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