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2011年2月21日 (月曜日)

『ヒア アフター』クリント・イーストウッド監督 インタビュ

「死は、人生という長い旅路の一部」

すべての人々の身近に存在する死後の世界

―― 初めてピーター・モーガンの脚本を読み、その脚本の中に描かれた死に関連した出来事を、どう思われましたか?

クリント・イーストウッド監督:
Ce_3 僕自身、今でも死後の世界があるかどうかわからない。
でも、たくさんの人たちが死後の世界を信じていることを知っているよ。
臨死体験をした人々には多くの共通点があって、彼らはみんな、似たことを言うんだ。だから、そこにはきっと何かあると思う。
だから、今回の脚本を読んだとき、これは知的に書かれたものだと思ったんだ
ピーター・モーガンに初めて会ったとき、「教えてもらいたいことがある。君はこれ(死後の世界)を信じているの?」って聞いたんだ。
彼は「まったく信じていない」と言っていたよ(笑)。

―― 本作では、死者と対話できる能力を持つ人物が主人公ですが、そういう能力を信じますか?

イーストウッド監督:
誰もが人生の中で、「自分に特別な能力があるんじゃないか」と思うような経験をするものだよ。例えば、誰かのことを考えていて、電話をかけようとすると相手からかかってきたりね。偶然かもしれないし、違うかもしれない。でも誰もがそういったことを経験したことがあるはずだよ。僕には間違いなくあるよ。そして、いつも考えさせられるんだ。「何か」があるんじゃないかってね。

監督が陸軍時代に経験した臨死体験とは?
―― 本作を経て、以前よりも死後の世界についてもっと意識するようになりましたか?

イーストウッド監督:
わからないな。でも、この映画に出てくる人物たちのように、死というものに執着したり、夢中になったことは一度もないね。
死は、人生という長い旅路の一部だと思っているんだ。もし死後の世界があるとしたら、それは間違いなくボーナスだよ、人生のボーナス。
死後の世界があると思うことで、ボーナスに頼ってしまう危険性があると思っているんだ。
つまり、死後の世界(来世)があるから、今できる限りベストを尽くさないかもしれないってこと。

―― あなた自身が、過去に最も死を意識したのはいつでしたか?

イーストウッド監督:
1950年ごろの11月だったかな。乗っていた軍隊の飛行機がカリフォルニアの北の海岸に墜落したんだ。脱出して、かなり長い間海にいたのを覚えているよ。岸の方に農家の明かりが少しともっていた。それで僕は「あそこのどれかの家で、誰かが暖炉(だんろ)の横に座ってビールを飲んで楽しんでいるんだ」って思ったのを覚えているよ。そして、「僕はあそこに行かなくちゃいけない」って言ったんだ。
祈りの言葉とか何もなく、ただ「あそこに行かなくちゃいけない」という言葉が、ある意味祈りだったんだと思う。
「生き残るぞ」という決意の瞬間だったんだよ。

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