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2012年5月16日 (水曜日)

二宮金治郎はどこへ行ったのか・・・?

僕らが子供の頃、小学校の校庭で、薪を背負いながら読書している二宮金治郎の銅像は、最近ではすっかり姿を消してしまいました。

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 二宮尊徳(にのみや たかのり/にのみや そんとく)(金次郎、通称は金治郎)は、1787年、小田原に生まれました。
父を14歳で母を16歳で亡くし、伯父の家で苦しい農耕をしながら「論語」「大学」「中庸」等を独自に学び、青年期に家を再興。

彼が生まれたのは、現在の日本のように人口が減少傾向にあり、経済停滞が持続する閉塞した時代だったようです。地方の農村では、飢饉が頻発し、娘の身売りや逃散(農民が自らの田畑を捨て、江戸などの都市部に逃げること)が絶えませんでした。

 農民の子として生まれた金次郎が、銅像のように勉学に励んだ結果、困窮に陥った大名家や村の財政を立て直す指南役として大活躍することになりました。

金次郎をして、江戸の「名経営コンサルタント」と絶賛する人もいるくらいです。

また、金次郎の思想は、経済と道徳の融和を訴えます。

私利私欲に走るのではなく、社会に貢献することが結果的には自らに還元するというg>『報徳思想』を築いたことでも有名になりました。
その思想は、現代のビジネス界においても信奉者が多く、その勢いは海外にまで広がっているくらいです。
(報徳思想は、JAの基本理念なのですが・・・・)

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 金次郎の功績を別の角度から取り上げた猪瀬直樹氏(東京都副知事)の金次郎像をご紹介いたしましょう。

以下は、猪瀬氏の『二宮金次郎が薪を背負っている理由』(文春文庫)を参考にしています。

【二宮金次郎ファンド(?)】       

 金次郎は、『五常講』と呼ばれるマイクロファイナンスのような融資制度を考案します。
例えば、十両のお金を貸し付けたとします。相手は、町の金貸しが決して貸さないような農民です。毎年二両を返済してもらうことになるので、5年での完済となりますが、「5年間二両ずつ返済して生活ができたのだから、もう1年二両を支払っても大丈夫だろう」として、6年目にもう二両出させます

ただし、この二両は自分の儲けではありません。『推譲』と呼び、五常講の新たな資金としてファンディングします。推譲されたお金は次の融資に使われ、次の推譲が生まれることで、次々と資金が膨らんでいきます。

次第に、二宮金次郎ファンドと呼んでも差し支えない規模に成長しました。
金次郎ファンドは、最初は個人向けに融資していましたが、それが村単位の出資に拡大。さらに広がり、関東600カ村に融資するまでになりました。
最終的には、関東平野の小大名や旗本にも融資をすることとなったのです。

あるとき、二宮金次郎は才を買われて、小田原藩家老である服部家の借金整理に知恵を貸すことになるのですが、金次郎が最初に行ったのは意外なことでした。
金次郎は女中を全員集め「ススを1升持ってきたら2文やる」と指示します。
女中は意味がわからなかったのですが、「二文もらえるなら」と一生懸命お釜を磨いて、そのススを金次郎のところに持っていきます。

当時は、お風呂の湯沸かしから飯炊きまで、すべてお釜で行います。
そのお釜をピカピカに磨くことで、燃料効率のアップを目指したのでした。
お風呂を沸かすのに、10本使っていた薪が7本ですむようになったら、
3割のコスト削減につながるという意味です。

まずはコスト削減。
そこで浮いたお金を運用して利益を出していくという考え方。
このコスト削減の部分ばかりがクローズアップされて、「二宮金次郎=節約」といったイメージが定着していますが、金次郎の本質は浮いたお金を「運用」した点にあるのです。


【キーワードは、『分度推譲』と『積小為大』】       

金次郎のこうした逸話は、低利融資、節約、運用といった彼の“利の悟さ”を想起させますが、その経済感覚の底辺にある思想を忘れてはいけません。

「人はお金だけで動かすことはできない」「思想を農民の腹におとす」ことが何よりも重要であることを、農民出身の彼はよくよく理解していたのでしょう。

 金次郎の思想を端的に表している言葉を二つ、紹介しましょう。

『分度推譲』・・・ 分度とは、自分の生活の「度」(レベル)を認識し、その範囲内で慎ましい生活をすること。
推譲とは、今あるお金をすべて使い切ってしまうのではなく、一部を将来の生活のため、子孫のため、あるいは、公共の利益のために振り分けることが大切。それが、結果的には、自分の利益につながるという考え方。


『積小為大』・・・小を積んで大を為す。
節約の大切さを訴えるだけではなく、日頃の小さい積み重ねが出来ない人間に大事を為せるはずがないことを教える考え。

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