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2013年8月30日 (金曜日)

台風と高潮の関係

高潮(たかしお)は、台風や発達した低気圧が海岸部を通過する際に生じる海面の高まりを言う。
主な原因は、海面気圧の変化である。そもそも海面の高さ(標高)は、気圧と海水の水圧の均衡がとれた状態の水位である。
1気圧 (約1013 hPa)において海抜は0メートルであり、これよりも気圧が下がると水圧が海面を押し上げる。

1hPa下がる毎に海面は約1cm上昇する。

例えば台風など熱帯性低気圧の下で気圧980hPaの場合、33hPa低いので約30から33cm程度の上昇が見られる。
今来ている15号は996hPaですが、計算を簡単にするため、993hPaとすると、1013 hPa−993hPa=20hPa だから海面は約20cm上昇します。

低気圧・台風の中心部の接近時間と満潮の時間帯が重なると、両者を合計した分海面が上昇する。一方、干潮時には両者が相殺されて相対的に低くなる。また、大潮など時期的に潮位が高いときには、さらに海面が高くなる。

通常時において外海よりも干満差が大きい内湾では、特に大きな潮位変動が起こる。
港湾部においては、雨水の海洋部への出口が狭いことや、増水した河川からの流水によって、降雨による潮位上昇が比較的起きやすい。

日本でこれまでに観測された気象潮の最大値は、伊勢湾台風の時の3.45m(名古屋港)である。
また天文潮も加えた潮位では、同じく伊勢湾台風の時の3.89mが観測史上日本最大である。


2004年8月30日~8月31日にかけて、台風16号が日本に接近。接近時は1年で最も高い時期であり、岡山県と香川県の沿岸部を中心に大きな被害を出した。

8月31日午前0時頃が満潮時刻であるが、長雨により排水ができなかったことから、2時間前の8月30日22時頃から海水が上がってきた地域もある。

大潮と満潮時に接近したので、最悪なパターンとなった。
これにより瀬戸内海沿岸を中心に、過去最高潮位を記録した。

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    場所によっては床上1m以上浸水の地域も少なくなかった。
このとき僕は勤務地は高松だったので、釣りの潮見表を参考に高潮水位を計算し、60
cm上昇すると計算でき、土嚢などの対策を行った。釣りの知識が役立った。

海水に浸かった木や花で助かったのは楠だけでした
日本書紀に「檜で社を造れ、楠で船を造れ〜〜」と書かれているそうです。 古人の木に対する造詣は深い。

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       高松港の潮位の実況のグラフです。

ピンクの線は,実際に観測された潮位です。水色の線は天文潮位といい,月・地球・太陽の引力などから計算して求めた海面の高さです。普段はほぼ天文潮位どおりに海面が上下しますが,台風などの気象の影響で天文潮位よりも高くまで上昇することがあります。これが高潮です。
黄色の実線は高潮注意報基準,赤の実線は高潮警報基準で、高潮警報基準を越えると予想すると警報を発表します。
一番上の黄緑色の破線が既往最高潮位(潮位の観測開始から現在までの期間に記録された最高の潮位)で,246cmあります。2004年8月30日23時21分に台風第16号による高潮で記録しました。


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2013年8月29日 (木曜日)

台風と稲作

9月1日は二百十日、関東大震災の日である。

この時期は台風襲来の確率が高く、稲は丁度花が咲き出した出穂(しゅぽ ではありません⑪)時期です。

出穂直後に台風に台風にあうと、穂は白穂となり、収穫量は著しく低下します。
ですから、最近は、コシヒカリなどを8月中に稲刈りする農家が増えました。すでに、新米が売られています。

僕は兼業農家で米も少ししか作っていません。
僕もサラリーマンでしたが、退職後は家内がパート勤めし、僕が親父の介護と一人で米作りをやってきました。

米作りの本やパンフレットを読んでいて誤った読み方ばかりするので、家内や先輩方に笑われました。これって、イジメ?

例えば、
①浸種=しんしゅ
 春種籾を水に浸け種籾を一斉に発芽させるために、必要な水分を吸収させる作業です。水分を吸収すると、胚乳の中のデンプンが分解されてブドウ糖となり、新しい細胞を作ったり呼吸をするエネルギー源となって発芽が促進されます。

加温してまでして苗を早く育てるのは、稲は太陽エネルギーで光合成を行い、デンプンとして蓄積します。
お米をたくさん収穫するために、稲穂に花が咲いて、デンプンを蓄積する時期に、光合成が盛んに行えるように、真夏に出穂して花が咲くように、逆算して育てているのです。

② 籾殻=えい
  籾の殻。吸水して胚の容積が大きくなると、胚の上部のえい(籾殻)が割れます。ここから、さらに吸水します。水分が13%以上になると呼吸がさかんになり、細胞の分裂や伸長が始まります。
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    籾殻(えい)が割れて、芽が出て、続いて根が出ます。

③ 稲は「通気系」
稲の茎の断面を見てますと、真ん中に大きな穴が開いています。これが空気を送るパイプです。
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   周囲の小さな穴は水や養分を送るパイプです。

④ 直播栽培(ちょくはんさいばい)
 田んぼに種籾をまいてそのまま育てる直播栽培と苗を移植する移植栽培の2つの栽培法があります。
現在では、移植栽培が主流です。

アメリカでは両方やってますが、直播栽培が主流です。

⑤ 活着=かちゃっく
 苗を田植機にセットします。このとき、苗は断根されます。
また、田植機で植えるときも根が切れるます。
その後、新根が生え田んぼに根付くことを活着といいます。

⑥ 分けつ
 種子から出た茎の根元から新しい茎が出てきます。これを分けつと言います。

1株で約20本前後になると分けつは止まります。
1株の苗が3~4本としますと、1本の苗の茎が5~6本になったら分けつは止まります。
苗3本×6=18本なので約20本前後となります。

苗の本数をたくさん植えたら分けつは増えますが、茎が太いほど、大きくて長い穂が出来ます。大きくて長い穂には籾がたくさん出来ますから、茎が太ければ太いほど、お米がたくさんとれます。
だから、苗の本数をたくさん植えたら茎が細くなり、立派なお米は採れにくく、倒伏=倒れ易くなります。

分けつこそが稲作の利点なのです。
かつて日本の農学者が理論付けし、外国で信じ難い分けつが報告され(SRI農法)、今、東大SRI農法研究会で苦労しているようです。

⑦ 飽水状態=ほうすいじょうたい
 飽水状態とは、水は地表にはなく、土には充分に水が含まれていて、ヨウカン状になっている状態です。足跡に少し水が溜まる程度です
 飽水状態は稲刈りの前の落水まで維持します。
水の管理は、稲作の半分を占めるほど大切な作業であるという意味で、昔から「水見半作(みずみはんさく)」と言われています。
SRI農法はそれも解決してくれるかも?

⑧ 中干し=なかぼし
 真夏に田んぼの水を抜いて、ヒビが入るまで乾かすのが中干しです。
1株20本程度の茎数が確保されたら、中干しを実施します。
これにより、それ以上の分けつを抑えます。

⑨ 穂肥=ほごえ、出穂=しゅっすい
 穂肥(ほごえ)は、穂の籾を充実させることを目的とした肥料で、出穂(⑪しゅっすい)直前に散布します。
早く散布しすぎたり、撒き過ぎると、肥料が稲の茎や葉に効いて、徒長することになります。そうなると、穂の籾に実(=お米)が入らなくなります。
穂肥の散布は、タイミングと量が大切です。

⑩ 光合成=こうごうせい
 光合成とは、主に葉緑素を持つ植物が、光のエネルギーを利用して、吸収した二酸化炭素と水分とから有機化合物(=炭素を含む化合物)を合成することです。

稲の葉は、お米を作る工場です。稲の葉は葉緑素を駆使して、「空気中の二酸化炭素」「田んぼの水」「太陽エネルギー」を利用して光合成を行い、ブドウ糖を生産します。

生産したブドウ糖は、穂に送り込みます。穂では、ブドウ糖が鎖状につながった物質=デンプンとして蓄積します。これが、お米です。

光合成の仕組みを人工的に行い、エネルギー源(電気)にする研究がなされています。

⑪ 出穂=しゅっすい
 田植えをしてから早稲(わせ)では約50日、晩稲(おくて)では約80日後に穂が出ます。これが出穂(しゅっすい)です。
茎の中で、籾の集合体である穂が育まれます。その穂が完成して、茎から出て来ます。まず、その田んぼで一番早い「走り穂」が出ます。
その後、約半数の茎が出穂する時期を「出穂期」、すべての穂が揃うと「穂揃い期」と言います。

収穫を増やすには、出穂から登熟までの期間に晴天が続き、光合成量が大きくなることが大切です。
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    出穂後に晴れて暑い日が続くとおいしいお米が出来ます。

⑫ 開花
 稲は穂を出すとすぐに開花し、受粉します。受粉後7~10日間で、籾の中では胚が完成します。
胚が完成すると、養分をデンプンにして、胚乳として籾に蓄積し始めます。
稲は晴れた日の午前中に清楚な花を咲かせます。
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ただし、花びらはありません。まだ緑色の籾のカバーが開き、雄しべが伸び出て来ます。雄しべの花粉が風に運ばれて、雌しべに受粉します。
その後、緑色の籾のカバーが閉じます。
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      受粉直後

1本の穂には、約100個ぐらいの花が付いていて、穂先から順番に咲きます。
1つの稲の花が咲いているのは約2時間です。
全部が咲き終わるまでに、1週間ぐらいかかります。

少しずつずれて花を咲かせるのは、子孫を確実に残すための仕組みです。
開花の適温は約30度です。開花期に低温にあうと花粉の受精能力が落ちて不稔籾が多くなります。

ここまで書いて疲れ果てました。
お米になるまであと35日ぐらいかかるでせう。
百姓はすべて逆算と自然任せなのよ。

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