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2014年5月 9日 (金曜日)

農業の多面的機能とは?

新聞記事の解説を転載します。

農水省HPにも載ってますが、霞ヶ関文学は読んでも解りません。


日本型直接支払い」って? 農業の多面的機能支える

熊本日日新聞 2013年11月18日

 前回の「知り隊」では、5年後にもコメの生産調整(減反)を廃止するという政府方針の意味を考えました。狙いは環太平洋連携協定(TPP)を見据えた農業の競争力強化。では農業に求められているのは競争力強化だけでしょうか? 農業は農産物を生産する産業であることに加えて「多面的機能」があるとされます。政府は、この多面的機能を維持する補助金を拡充する、新しい「日本型直接支払い」の創設を打ち出しています。今回の「知り隊」で迫ります。(太路秀紀)

 まず押さえておきたいのは農業が持つ「多面的機能」とは何かです。「食料・農業・農村基本法」では「国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承」などだとされています。阿蘇をイメージすると分かりやすいでしょう。

 阿蘇の水田や畑は、大量に降った雨を一時的にたくわえます。雨水が時間をかけて白川下流へと流れることで、熊本市などでの洪水発生を抑えます。熊本都市圏で水道に利用される地下水も、阿蘇や白川中流域の水田などから水がしみ込むことで生まれます。

 阿蘇には毎年1700万人前後の観光客が訪れます。しかし水田や畑が雑草で覆われ、農業で維持されている草原が森になれば観光客も減るでしょう。農業をする人がいなくなれば、「火たき神事」など、国の重要無形民俗文化財である阿蘇の農耕祭事も伝承が難しくなります。

 多面的機能は経済的評価が難しいですが、日本学術会議が2001年、農業の多面的機能をお金に換算したことがあります。農業の洪水抑止機能をダムに置き換えた場合などを考えて、その価値は年間約8兆円となりました。

 「日本型直接支払い」の考え方は、国民の多くが恩恵を受ける農業の多面的機能を税金で支えることです。産業支援の政策ではなく、農村地域を支える政策であり、対象には山間地の農家や経営的に弱い農家も含まれます。

 日本型直接支払いの政府案では「農地維持」と「資源向上」(ともに仮称)の2種類の補助金を検討しています。

 「農地維持」は農地の管理を支援。集落で行う水路の泥上げや農道の草刈りなどに対し補助をします。現在も「農地・水保全管理支払」という補助金がありますが、主に水田に対する補助。「農地維持」では畑や、家畜の放牧に使われる草地なども対象にします。補助金は集落に払われますが、集落が農家に支払うことも可能になりそうです。

 「資源向上」は先ほどの「農地・水保全管理支払」を衣替えし、農地の防災機能を高めたり、農村の環境を良くする活動を支援します。水田のあぜや水路の補修、地域に花を植えたりする活動です。農家以外の地域住民らも参加することが条件になります。

 財源には、減反参加農家への補助金を減らして浮く約1千億円の一部を充てる計画です。「補助金ありき」ではなく、多面的機能の維持に本当に必要な活動を支援できるかどうかが、ポイントになりそうです。  熊本日日新聞 2013年11月18日

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