水に関して
中嶋健吉(なかじま けんきち) のブログより いつもオシャレなダンディです。
当たり前の日常が一瞬にして崩れ、考えもしなかった非日常が始まっているのです。
何よりも生活に不可欠で、今まで当たり前に使っていた「水」の不足が、被災された人々の気持ちを更に不安に陥れています。
改めて一度取り上げた水問題を再び考えてみたいと思います。
地球上の水資源は14 億立方キロメートルと言われています。
このうち海水が97.5%を占めており、淡水は2.5%の三千五百万立方キロメートルに過ぎません。
しかしこの淡水も其の殆どを氷河と地下水が占めており、生活に利用可能な量は其の30%の10百万立方キロメートル程度と言われています。
分かり易く言えば琵琶湖40万個程度です。
世界の人口は1950年25億人、1970年36億人、1990年53億人、2015年73億人、2030年(予)85億人、205年(予)97億人と急増しています。
特に1990年の東西冷戦の崩壊後、殆どの国が市場経済に移ったことから生活水準が向上し、急増する人口の食生活が極めてコストの高いものになっています。
よく言われることですが鶏肉1キロ得るために穀物は3キロ必要です。
豚肉1キロでは7キロの穀物、牛肉では13キロになるようです。
そしてこうした穀物1トン育てるためには水が1000トン必要になります。
水不足が声高に叫ばれますが、人の渇きを補うだけでは不足はしません。
こうした穀物を得るために不足するわけです。
1人当たりの年間水資源量は2000立方メートルと、日本の3400立方と大きな差はありません。
しかし北部の大都市の北京では134立方メートル、天津で116立方メートルに過ぎないのです。
中東が概ね100~150立方メートルですのでまさに中東並みです。
其の為水の豊富な南から運河を造り搬送しているようですが、急増する人口に追いつかないようです。
しかしこの水問題が中国の安全保障を脅かさないのは何故でしょう か?
アジアの水源と言われるチベット高原を抑えているからです。
チベット高原は10近い国際河川の水源になっています。
メコン川もチベットを源流としています。
メコン流域にはタイ、ラオス、カンボジア、ベトナムが有り、その水の恩恵を受けていますが、源流を中国に抑えられている弱みがあります。
中国にはチベットの独立を一切認めず、むしろ漢人を移住させ実質支配を強める必要があるのです。
今回岸田外務大臣が連休を使いミャンマー、中国を中心にタイ、ラオス、ベトナム訪問を予定していますがこうした水問題を抱える国々にエールを送ることもその背景に有るのかもしれません。
20世紀は石油資源で、21世紀は水問題で戦争が起こると言われる背景が見えてきます。
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